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サントニーニョ教会を訪れる前に知っておきたい歴史と見どころ

セブ市で観光をするなら、まずは訪れたいのがサントニーニョ教会です。アクセスが容易で歴史的価値も非常に高いカトリック教会ですが、地元の人々にも親しまれています。

観光スポットとしてその建築や歴史的背景を楽しむだけでなく、地元民の生活の一部としての雰囲気を感じることもできる場所なのです。

そんなサントニーニョ教会ですが、どんな場所なのか、どうしてそれほどまでにセブの人々にとって大切な場所なのかについて知っておくと、より深く鑑賞することができますね。

今回は、サントニーニョ教会の歴史や見どころ、見学の注意点についてまとめてみました。

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目次

サントニーニョ教会とは

サントニーニョ教会はセブ島、セブ市の下町を感じさせるエリアにあります。入場は無料で、毎日たくさんの地元民がお祈りに訪れます。

セブ市にあるサントニーニョ教会は、1565年に建てられたフィリピン最古のローマ・カトリック教会です。

「サントニーニョ教会」として親しまれていますが、正式名称は「Basilica Minore del Santo Nino de Cebu」といいます。敬虔なキリスト教徒が多いフィリピン人にとって、サントニーニョ教会はとても神聖な場所となっています。

近くには、マゼランクロスがある八角堂があり、サントニーニョ教会はその北側にあります。

「サントニーニョ」とはスペイン語で「聖なる少年」という意味ですが、幼いイエスキリストを指しています。この教会内にあるサントニーニョ像はマゼランがファナ女王に送ったものとして祀られています。

その後、戦火を生き延びたことは「奇跡」だとし、地元の人々はこの像を守護神として崇拝するようになりました。現在もこの像を一目見ようとたくさんの訪問者が教会へ足を運んでいます。

現存する建物は1740年に完成されたものです。

サントニーニョ教会とフィリピンの人々

サントニーニョ教会はフィリピンやセブ島の人々にとって、とても神聖な場所となっています。フィリピンの主な宗教はキリスト教で、人口の9割以上がキリスト教の信者だといわれています。

その中でも多いのが、ローマ・カトリックの信仰者です。

アジアにおいて、ここまでキリスト教信者の比率が高い国はあまりありません。なぜフィリピンにはこれほどまでにキリスト教が浸透しているのかというと、これにはポルトガル探検家マゼランが関係しています。

彼はもともとポルトガル人ですが、大航海時代、スペイン船とともに世界中を探検して回りました。その道すがら、彼はカトリックの布教活動も行っていたのです。

セブ島にやってきたマゼランは、現地の王室や地元の人々にカトリックの洗礼式を施しました。それ以降、セブを含めたフィリピンにカトリックが広く普及することになります。

フィリピンはスペインに植民されますが、その際に多くの地元民がカソリック教徒になりました。その名残で、現在もキリスト教の信者が大多数を占め、日曜日になると教会は人々でいっぱいになります。

サントニーニョ教会も同様で、日曜日が最も混雑するため、それを避けるには日曜日以外に訪問するのがおすすめです。

セブ市の中心にあるサントニーニョ教会ですが、セブの人々にとっては神聖な祈りをささげる場所です。教会の門をくぐると周りの喧騒を忘れるくらい、静寂と神秘的な雰囲気に包まれるのです。

サントニーニョ教会のサントニーニョ像

サントニーニョ教会の中には、「サントニーニョ像」、つまりイエスキリストの子どもの頃の像が祀られています。

1521年、セブにやってきたマゼランは、セブ島の王であったフマボンとその妻、ファナ女王たちに洗礼を行いました。その記念として贈られたのがこの像だったのです。

また、洗礼の儀式で使用された十字架がマゼランクロスで、これはこの教会の隣に納められています。

サントニーニョ像は奇跡の守護神として地元の人に深く信仰されています。教会周辺では、サントニーニョ像のレプリカを販売している人も多く、セブ島やマクタン島の住宅など、あらゆるところでこのレプリカ像を見かけることがあるでしょう。

サントニーニョ教会の歴史

サントニーニョ教会は、1565年にアンドレス・デ・ウルダネタによって建てられました。アンドレス・デ・ウルダネタはスペインの海洋探検家であり、修道士でもありました。

サントニーニョ像は1521年の洗礼の際に、マゼランからファナ女王に贈られたものでしたので、教会ができたのはそのあとになります。

伝説によると、この地には一部が焼けてしまった小屋があり、そこにサントニーニョ像があったといいます。この年、スペイン人のミゲル・ロペス・デ・レガスピが初代フィリピン総督となり、植民地としての基盤を作り始めます。

同じころ、サントニーニョ像が発見された家の場所に、サントニーニョ像を祭るための教会が建てられたのでした。

ところが、この教会はその後数回にわたって焼失します。しかし、そのたびに再建され、1628年には石とレンガ造りの教会建築が始まりました。

当時、石とレンガでの建築様式は画期的だったようです。幾度と重なる焼失のため、火に強い素材を使うことになったのでしょう。

この工事は、一旦中断されますが、1735年になって再開しました。そしてついに1740年に現在の姿に近い形で教会工事が終了します。

こうしてサントニーニョ像は無事、新しい教会に安置されたのでした。

そのあと1789年に改装され、1965年にはキリスト教への改宗400年を記念して大幅な修復作業が行われました。その後、フィリピンのフェルディナンド・E・マルコス大統領によって、国定史跡に指定されています。

1965年には、教皇パウロ6世はこの教会を「フィリピンにおけるキリスト教の誕生と成長の象徴」であると宣言しました。

しかしながら、この教会の不運はこの後も続きます。

2013年にはマグニチュード7.2の地震がボホール州タグビラランを襲いました。この地震により、220人以上の死傷者が出たといわれています。

ボホールにはもともと歴史的建造物が多かったのですが、この地震で複数の建築物が被害を受けました。

サントニーニョ教会では、鐘楼とファサードが被害を受け、壁や一部のフレスコ画にひびが入っています。

2015年、フィリピン国家歴史委員会による修復が始まりました。瓦礫の中に石灰水を注入して強度を増すなどの工夫が行われ、2016年10月には鐘楼が完全に修復されました。

2021年4月14日、フィリピン国立博物館は、サントニーニョ教会、およびマゼランクロスを国宝に指定しました。

このように、サントニーニョ教会は度重なる不運な出来事に見舞われました。ところが、第二次世界大戦中には爆撃などがあったにもかかわらず、サントニーニョ像は無傷のまま保存されているのです。

このような経緯から、ますます「奇跡の守護聖人」として神聖視されるようになったサントニーニョ像。
今もなお、人々に大切に信仰されています。

サントニーニョ教会への行き方

サントニーニョ教会は、オスメナ大通りに面しており、マゼランクロスがあるスグボ広場の脇にあります。セブ市の繁華街、コロン地区にありカルボンマーケットにも近いです。

公共交通機関はマイバス(Mybus)やジプニーを乗り継いで行けますが、はじめて行く場合はタクシーで行くのがおすすめです。

近くにあるサンペドロ要塞を訪れたあと、そこからサントニーニョ教会まで歩くこともできます。

マクタン空港からはタクシーで約40分、アヤラモールからは20分くらいかかると見ておきましょう。セブ市やマクタン島からの移動は、配車アプリサービスのGrabを使うのもおすすめです。

教会がある地区はスリや置き引きも多いので、貴重品には十分気を付けて観光してください。また、後述しますが、サントニーニョ教会は非常に神聖な場所となっています。露出の多い服装で教会内に入ることは控えるようにしましょう。

サントニーニョ教会の見どころ

サントニーニョ教会にはいくつかの見どころがあります。

「バシリカステージ」あるいは「巡礼センター」と呼ばれる建物があり、そのオープンスペースは3,500人を収容できる広さがあります。地下には博物館があり、教会家具や用品が展示されています。

バシリカ・デル・スト・ニーニョ博物館は1965年に設立されました。17世紀にさかのぼる教会文書やアンティーク家具、聖杯、祭壇台、司祭の法衣などが収蔵されています。教会の歴史を伝える貴重な資料が展示されていますが、館内での写真撮影は禁止されているので注意しましょう。

教会のメインの建物は大聖堂になります。大聖堂の中では地元の人々が熱心に祈りをささげているのが見えると思います。

天井からはゴージャスな照明が吊り下がり、大ホールの壁は見事な装飾で埋め尽くされています。神聖で厳かな雰囲気は、周りの喧騒を忘れさせてくれます。

まるでここだけヨーロッパであるような錯覚さえ覚えます。

たくさんのキャンドルが並んでいるところがあったら、立ち止まってみてください。人々の祈りの数だけキャンドルが灯されています。

自分だけでなく家族や友人のために祈りをささげるときは、その人数分のキャンドルに火を灯します。家族5人分であれば、5本のキャンドルを取って祈りましょう。

キャンドルは大きな容器に収められており、そこから取って、料金を別の箱の中に入れます。価格は決まっていません。気持ち分だけの金額を箱に投入すればよいのです。

建物の外に出ると小さな中庭があり、中央には噴水が置かれています。静かで落ち着いた雰囲気です。

その向こう側にサントニーニョ像が祀られている場所があります。ただの人形にも見えてしまうかもしれませんが、イエスキリストの少年像ということで、地元の人々にとってはとても大切なものです。

非常に神聖な場所ですので、大きな声で騒ぐなど、礼を欠く行動は慎むようにしましょう。このエリアも写真撮影は禁止されています。

サントニーニョ教会のイベント

サントニーニョ教会に関連したお祭りとして、シヌログ・フェスティバル(Sinulog Festival)を紹介しておきます。

毎年1月の第3日曜日にセブ市を含むセブ島で大々的に行われるお祭りです。
フィリピンで最も有名な宗教的イベントになります。

サントニーニョ像を持ったダンサーがパレードダンスを繰り広げる様子はとても華やかです。ゴージャスな衣装やメイクも印象的です。

イベントは9日間にわたって継続されますが、最終日が最も華やかです。

セブ以外のフィリピンの地域でもサントニーニョにまつわるお祭りは行われます。でも、サントニーニョ教会があるセブ市には国内外からたくさんの観光客がこのイベントを目的に訪れます。

お祭りの名称となっている「シヌログ」はセブアノ語に由来し、「水流のような動き」を意味するといわれています。

フェスティバルでの踊りはさまざまなダンススタイルが見られますが、伝統的シヌログダンスは、ドラムに合わせて2前進し、1歩後退するステップが基本となります。これは、セブの川の流れを模倣したのがはじまりだそうです。

一年の中でこの教会とセブ市が最も盛り上がるイベントです。この時期に旅行される場合は、ぜひ見学してみてください。

ただし、この地域はもともとスリなども多いので、貴重品の管理には十分注意しましょう。

サントニーニョ教会周辺の見どころ

サントニーニョ教会の近くには他にもたくさんの見どころがあります。徒歩圏内にありますので、ついでに見学しておきましょう。

マゼランクロス

サントニーニョ教会のすぐ隣にあります。1521年、マゼランがセブ島で洗礼を行ったときに使われた十字架です。

セブ島だけでなく、フィリピン全土において、キリスト教布教のシンボル的な意味合いを持っています。

この十字架を収める場所として八角堂が作られたのは1834年のことになります。

マゼランクロスは木製の十字架ですが、かつては「奇跡を呼び、万病を治す力のある十字架だ」と信じた地元民によって十字架の一部が削りとられることがありました。そのため、現在オリジナルの十字架は、その外側に作られた木製十字架の中に収められているといいます。

要するに、今八角堂の中で見られる十字架は本物ではなくレプリカであり、本物はその中に入っていることになります。

マゼランクロスが祀られている本堂の天井は壁画で埋め尽くされています。この絵には当時の洗礼儀式が描かれています。

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サンペドロ要塞

サントニーニョ教会やマゼランクロスの東にあるのが、サンペドロ要塞です。

国内最古の三角形の要塞です。フィリピン総督府初代総督ミゲル・ロペス・デ・レガスピによって、1565年から建設がはじまりました。

当初は木造の砦でしたが、17世紀初頭にはイスラム教徒の海賊の襲撃を撃退するために石造りの建物として作られました。現存する姿は1738年に完成されたものです。

フィリピンのスペイン統治において重要な意味を持つ要塞でした。

19世紀末のフィリピン革命の際には、フィリピンの革命家たちによって攻撃され、要塞として使用されました。また、アメリカ占領時にはアメリカ軍によって使われ、日本占領時代には捕虜の収容所として用いられた歴史を持ちます。

現在は「独立公園」として開放されており、地元の人々にとっての憩いの場所になっています。要塞内には、歴史を伝える資料が展示された博物館があります。

コロンストリート

サントニーニョ教会の北西にあるのがコロンストリートです。このエリアは「コロン」と呼ばれており、セブの下町にあたります。

たくさんのお店や露天店舗があり、地元の人々が買い物に訪れるスポットです。
衣料品や生活雑貨などが安い価格で売られているため、いつも賑わっている地区ですが、混み合っているだけにスリなども多いです。

観光客にとって購入したいような商品はありませんが、いかにもローカルっぽい雰囲気を味わうにはピッタリの場所です。ただし、旅行者がうろうろしていると非常に目立つので、貴重品は持っていかない方が無難です。スマホでの写真撮影も控えることをおすすめします。

カルボンマーケット

サントニーニョ教会から南西方向にあるのが、カルボンマーケットです。ここはセブの地元民にとっての「台所」です。

ありとあらゆる食品が売られています。新鮮でリーズナブルな野菜や果物、海鮮、肉類などが購入できるので、セブ島だけでなくその周辺の島々からも買い物客が訪れます。

卸売り市場としての機能を持ちますが、一般の人々も多く買い物しています。お土産になるようなものは扱われていませんが、活気のある雰囲気を楽しむにはエキサイティングな場所です。

ここも治安はよくないので、貴重品管理には十分に注意してください。

サントニーニョ教会見学の注意点

最後にサントニーニョ教会を見学するときの注意点についてまとめておきます。

露出の多い服装は避ける

サントニーニョ教会は非常に神聖視されている場所です。そのため、教会を訪問するときは、露出の多い服装は避けるようにしましょう。

ショートパンツやノースリーブは観光客であってもNGです。露出の多い服装をしている場合、教会入り口で止められます。肌を隠すためのサロンを貸してもらえるので、これを着けて入場しましょう。

一部写真撮影禁止エリアも

教会内の一部では写真撮影が禁止されているところがあります。サントニーニョ教会は建造物としても美しいため、写真を撮りたくなりますが、撮影が可能かどうか確かめてから行ってください。

貴重品管理に注意する

サントニーニョ教会は周りにも観光スポットがひしめき合う場所に立地しています。ただ、このエリアは決して治安がいいわけではありません。

セブ市の下町でもあるコロンやカルボンマーケットも近く、地元だけでなく広い範囲からいろいろな人々が集まるエリアとなっています。そのため、そんな混雑に紛れて悪さを働く者もいるわけで、スリなどの盗難には注意が必要です。

できれば、貴重品などはホテルの金庫などに預けて出かけるほうが安心です。また、スマホで写真撮影する場合も、路上ではできるだけスマホをちらつかせないなど、細心の注意を払ってください。

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サントニーニョ教会で神聖な雰囲気に触れる旅

サントニーニョ教会について紹介してきました。セブ市の中心にあって、フィリピンのキリスト教信仰の核心ともいえる場所です。

アクセスに便利な上に、歴史的建造物として貴重な史跡でもあります。入場も無料で、セブの地元民の生活の一部を感じることができます。

セブ市内観光に出かけるときには、ぜひプランに組み入れてくださいね。

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この記事を書いた人

セブ島在住者による観光ウェブマガジン。大手雑誌会社出身の編集部&観光のセブ島を隅々まで知り尽くしたプロ集団。

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